NC旋盤の機械を使ってオートマチックトランスミッションに使われるシャフトを作っています。 私のチームで 1 日に作るのが約 1700 本という生産本数もさることながら、それ以上に気をつかうのは寸法精度がきちんと確保できているかどうかです。求められる精度はおよそ百分の5ミリ。その精度を確保しつつ不良品を出さないようにするためには、材料を削るチッピングの摩耗具合やクーラントの当たる角度などに注意する必要があります。この仕事は、自分で勉強し修得した技術を活かせるし、経験を積めば仕事の幅も広がります。確かに加工は機械がやってくれるのですが、それに指令を出すのは私。だから最新の機械を使いながら、手作りの面白さが実感できる仕事でもあるわけです。
削っているところが自分の目で見ることができるのもうれしいことの一つ。しかも、自分の作った部品がクルマに搭載されて役に立っていることにも喜びを感じます。私の作っているシャフトはアイシン・エィ・ダブリュの製品に組み込まれ、相手先でクルマに搭載されるのですが、そのクルマというのがトヨタをはじめとした国内メーカーの自動車、またBMWやゴルフ、ボルボ、サーブなどの欧州車ほか多数 (もちろん会社全体でいえば、全世界の自動車に当社部品が搭載されています) 。高級ヨーロッパ車の走りを支えている部品の一つを私が作っているわけで、これが何にも代え難い喜びになっています。今後は部品の種類がどんどん増えていくようですから、今まで以上に寸法と効率にこだわったシャフトを追求していきたいと思っています。